退官記念の講演 その3

Posted By taga on 2012年5月19日

④  「スラム・ダンク」 井上 雄彦さん

教師になってからです、このマンガを全巻そろえたのは。

毎年、夏休みになると、まくら元にこれを置いて、読んでいました。

ここに登場する連中は、全て、思いっきり個性的です。

しかも、エリートじゃない。いわゆる規格外です。

※ こんな魅力的な連中を育てたいと、いつも思ってきた。

規格外の人間というものは、一般常識で見れば、問題児です。

そんな子どもたちが生き生きと育っていくって、すてきだなあと、思ってきました。

全く仲良しじゃないのに、信頼してしまう仲間。

僕の理想の学級は、仲良しクラスではありません。

ふだん、仲良くなくったって、いざというときは、信頼できる。

そんな仲間達であってほしいと思い続けてきました。

夏休みに、全巻読み続けてきた。

本当に、毎年読んでいました。心に残った言葉の一つが、

「あきらめたら、そこで試合終了だよ。」

という言葉です。

自分自身が決められるということです、終わりだというのは。

自分があきらめない限り、可能性が残るということです。

 

自分で言うことではありませんが、僕は最後まで熱い教師だったと思っています。

言い方を変えると、大人げないんですが。

だから、今、一番つまらないのは、子どもたちとサッカーしてゴールを決められないことです。

 

⑤  「先生はいかんよ」 岡本 博文先生

※「先生に欠けているのは、自分が裸になることです。」

―――この言葉の意味をずっと考えながら歩いて来た。

教師になって10年ほどしたときに、そこにいらっしゃる大石先生にお引き合わせいただいたのが、

岡本博文先生でした。

岡本先生が僕におっしゃってくださったことは、

「教師自身が裸になれ。」ということでした。

教師が裸になるというのは、

どこかの大学のクラブみたいに服を脱げという意味では、ありません。

ずっと、その言葉の意味を考えてきました。

だから、通信にも、本音をどんどん書いていきました。

僕のことを好きか嫌いかは別として、僕がどんな人間かということは、みなさんに知ってもらえたんじゃないかなと、思っています。

岡本先生の本から子どもの詩をいくつか選んで読みます。

天国の岡本先生に感謝をささげます。


⑥  「善太と三平」 坪田 譲司さん

そこにあるカットを見て、思い出した人は、卒業生には多いんじゃないかと思います。

たぶん、ここにいる全ての教え子に、僕は「かっぱの話」をしたと思います。

なんとなくでも、覚えている人は、手を挙げて見て下さい。

「善田と三平」は、僕が小学生のときに読んだ本です。それがずっと僕の心に残っているのです。

この話をするとき、じいっと聞き入っている子どもたちの目の輝きが好きでした。

これからも、機会があれば、どこかで子どもたちにしていきたいと思っています。

 

 

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