「読書からはじまる」

Posted By taga on 2011年7月29日

本の教育の実践家を自負する僕にとって、バイブルといえるのが、「ねこに未来はない」の作者である長田弘さんの、「読書からはじまる」である。

夏に入ったので、まず、この本からスタートした。何回も読んでいる。夏になると読むのが恒例なのは、この本と「スラムダンク」。

「いい本というのは、そのなかに『いい時間』があるような本です。読書といういとなみがわたしたちのあいだにのこしてきたもの、のこしているものは、本のもっているその『いい時間』の感触です。本のある生活、本のある情景はこころにくいという感覚がおたがいのあいだにもたれるようでないと、社会の体温が冷えてしまう。」

いい言葉だね。

いい本を読んだ人は、うらやましい。すてきな本を先に読まれたら、悔しい。そういう感覚が、僕にもある。

この本は、使われている言葉が最高。読書家にとって、珠玉の言葉が並ぶ。

「そうそう、そうだよね。」

「そうなんだよ、全く同感。」

そんな思いを何度もさせられる。

最後の言葉は、特にすごい。

「すべて読書からはじまる。本を読むことが、読書なのではありません。自分の心のなかに失いたくない言葉の蓄え場所をつくりだすのが、読書です。」

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