矜持 2

Posted By taga on 2012年9月26日

「矜持」って何かな。

 

この言葉だけが持つ意味合いがあり、

他の言葉では言い換えられないものがある。

 

映画「めぐり逢い」だったかな。

ケーリー・グラントデボラ・カー

 

一年後の再会を約束した二人が、

どちらもその場所に向かったのに、会えなかった。

ケーリー・グラントは傷心の日々をおくる。

ある日、会場で突然再会した二人。

グラントは嫌みを言うが、デボラ・カーは何も言わない。

 

そのときは別れても、

どうしても納得いかないケーリー・グラントが、

デボラ・カーを訪ねる。

話をしていても、反応が返ってこない。

しかも、デボラ・カーは、座って膝掛けをかけたまま動こうともしない。

 

男は気づいて、その膝掛けをとった。

彼女は、下半身が動かない。

あの日、待ち合わせ場所へ急ぐ彼女は、車にひかれたのだった。

車椅子の人生を余儀なくされていたのだ。

 

決してそのことを口にしなかった。

説明したら分かってもらえただろうに、

自分から口にすることはなかった。

 

こうなってしまった自分を、背負わせたくない思いもあっただろう。

 

これも矜持かな。

矜持って、ドライに考えれば、バカバカしいことなのかも知れない。

でも、とても美しい。

 

 

About The Author

taga

Comments

Comments are closed.