きょうの一冊 【8】

Posted By taga on 2013年11月27日

「かいじゅうたちのいるところ」

センダック

子どもって、しょっちゅう家を飛び出したくなるのです。

絵本は、そういう思いをいつも代わりに満たしてくれる世界です。

この有名な絵本には、まず、挿絵のすばらしさに大人も子どもも心をひかれます。

ユーモラスで、それでいてなんだかこわい「かいじゅう」たち。

こういう連中の王様になってみる。

なんてすてきなことでしょうか。

ところが、やっぱり家に帰りたくなるのです。

帰ろうとしたら、フレンドリィだったかいじゅうたちが牙をむいてかかってきます。

なんだか、不良グループからぬけだすときみたいですね。

世の中って、こういうものなんだよ。

センダックはこの絵本を通して、そう子どもたちに語っているような気がします。

最後はおうちでほっとするというおきまりのパターンですが、

このおきまりが大切なのです。

子どもの心の奥底に、やっぱりおうちが一番ほっとして安らぐんだよ

と、教えてくれているのです。

それが絵本の持つ力なのです。

 

About The Author

taga

Comments

Comments are closed.