叱責は逆効果 -教室の「あの子」⑤-

Posted By taga on 2014年12月26日

考えてみたら、当たり前の事なのだが、
落ち着き先を探して立ち歩き、動き出した子どもに向かって、
「座りなさい。」「何やっているの。」と、叱責することは、
どう考えても逆効果だ。

昔の先生は、それでも、怒鳴ったり叱ったりという指導でいけた。
僕も、そうやっていた。
今は、どの子に対しても、一律に厳しく叱責することでは解決しない。

ただ、落ち着かない子どもに対して、叱責が通用するときもある。
それは、子どもとの関係性だ。
関係性の深い相手に対しては、子どもは愛情を感じている。
愛があれば怒鳴っていいなんてことは、決してないが、
関係性においては、厳しさの通用するときがある。

以前勤めていた学校が東京の武蔵野学園と交流があった。
そこは、オーティズムの子どもとそうではない子ども達とが、
一緒に通うという私立小学校。
そこを参観してきた教師の中に、
武蔵野の先生方がけっこう子どもを厳しくしかっているのを見てきて、
「やっぱり厳しくしかった方がいいのだと分かった」
なんて言った人がいる。
バカじゃなかろか、と思った。
そういう発想に立って、ちょっとオーティズムとして問題になっていた子どもに対して、
担任でもないのに、びしばし厳しく叱った。
ちがうでしょ。そんな短絡的な話じゃない。
武蔵野の先生方が子どもを叱責するときには、
そこまでの関係性というものをもちゃんと踏まえている。
それが、見えなかったんだろうね。

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