多賀マークの教室日記

教育にかかるよしなしごとを、つれづれなるままに・・・。
「教育」というと、力の入った人か、アウトサイダー的な方かの両サイドが目立つ。
僕は、港と山にかこまれた神戸という風土で肩を張らず、妥協もせずに見つめてきた目から、今を語りたい。

思春期の子育ては難しい

Posted By taga on 2023年10月1日

思春期は、親からすれば、言動が不安定で、見ていたら腹の立つことの多い時期です。
「いったい、この子はどうなってしまうんだろう。」
とさえも、思うときもあります。
 でも、思春期におかしかった子どもたちが、全部そのままおかしな大人になるんだったら、人類は滅んでいますよ。
必ずつきものが落ちたようになる時があります。
高校の二年生ぐらいからかなあ。うそみたいにつきものが落ちるんですよ。
 ほとんどの子どもたちは、思春期を乗り越えて、正しい道を選択していくと思ってください。
 ただし、それまでにその子の人生にとって、決定的なダメージになることがないように、子育てをしないといけないんですよ。

 子どもを信じましょう。子どもを信じるというとき、何を信じるのか、ですよね。
 子どもの今の姿を見ていたら、とても信じきれないなとおもうことはあるでしょう。
 しかし、子どもを信じるとはね、目の前の子どもの姿を信じることだけではないんです。
 将来の子どもの姿を信じるということなんです。それができるのは、親だけなんですよ。

思春期の言葉掛けは要注意

Posted By taga on 2023年9月30日

 子どもの立場で自分の言い方や言葉そのものをふり返ってみましょう。
 大人の言葉掛け一つで子どもは変わります。
 子どもに言った言葉を、子どもの立場に立って考えてみると、ずいぶんひどいことを言っているものです。
大人相手になら使わないような言葉を平気で使っていますよ。
それに気づいた時は、素直に「言い過ぎてごめんなさい」と言えばいいのです。
 ただし、そう言ったからといって、こどもにいい反応をしてもらおうなんて思ってはいけません。
無視したり、「ふんっ」と感情を逆なでされるような態度をとられることもあります。
 思春期の子どもたちは、素直に分かったというそぶりは見せません。
でも、心には響いているんです。そこを信じられなければ、教育なんてできませんよ。

 そして、体が冷たいときには、心もきゅっと縮んでいるものです。
身体が温まった時に、話さないといけません。冷たく縮こまった心には、言葉なんてはいっていかないのですから。
 さらに、心はどうやったら温まるかというと、
「ありがとう」
とか「ご苦労さん」
と言ったストローク言葉ですよ。ストローク言葉を使いましょう。

子育てのヒント  受け皿を作りましょう

Posted By taga on 2023年9月22日

「受け皿」という言葉があります。
相手の思いを受け止める準備が受け止める側にできているということです。
 これができれば、子育ては全てOKです。
 というのは簡単なのですが、実際には受け皿を作るというのは難しいものです。
 まず、子どもの話をきちんと聞くことです。
きちんと聞くとは、何か用事をしていても、その手を止めて、子どもの目を見て一生懸命に聴くことです。
途中で口をはさまないで、最後まで聞き切ること。それが「きちんと聞く」ということです。

 大きな問題を起こした子どもの多くは、親子関係がうまくいっていませんでした。
親が子どもの心の受け皿になっていなかったんです。
 ということは、逆に考えれば、親が子どもたちを救えるということですよね。
大きな問題行動や犯罪を防げるということなんです。
子どもの思いを受け止められれば…。
 人は、誰かに心を投げ出せるように受け止めてもらえたら、心が落ち着くんですね
 親に望めなければ、子どもを包んでくれる別の大人の存在が必要なんです

思春期の言葉がけ 子どもが話を聞く時

Posted By taga on 2023年9月21日

「子どもが言うことを聞いてくれません。どうしたら良いのでしょうか?」
よくたずねられる言葉です。
これね、言うことを聞かそうとすること自体が間違っているんです。
 大人が子供に使っている言葉を改めると、子どもは言うことを聞いてくれるようになるものです。
 例えば、「…するべきでしょ」とか「・・・して当たり前です」とかいう言葉を使っていませんか?
 こういう言葉を使われると、子どもは話が聞けなくなるんです。

「もう六年生なんだから…」
この言葉はどうでしょうか?
「もう六年生」
って言われても、できないものはできないでしょ。
六年生になったから、ちゃんとできるはずだ、なんておかしいですよね。
じゃあ、五年生ではちゃんとしなくても良かったのでしょうか?
そんなわけないですよね。
 さらに、
「女の子でしょ。」
とか
「男のくせに」
とかいう言葉。
これらは、もう使ってはいけない言葉です。
男であれ、女であれ、ダメなものはダメでしょ。
女の子だからこうするべきだというのは、今の子どもたちには通用しません。
ジェンダーの観点からも、こういう言葉は使わないようにしましょう。
 

思春期の言葉がけ  しかるべき時は、しかる

Posted By taga on 2023年9月19日

 思春期だからと言って、全てに遠慮する必要はありません。
ダメなことはダメだと、はっきりと叱るべきです。
ただし、穏やかに、ですよ。
 大人なんだから、子どもの良くない行為については、叱ってもいいんです。
 だけど、叱ってから後のフォローも、しっかりと考えてください。
フォローなしで叱りっばなしにするのは、大人としてどうかと思いますね。
 叱ったら、最後まで面倒を見ないと…ね。
 ただし、よくある失敗なんですが、叱ってから「言い過ぎたな」と後悔して、
「言い過ぎたかもしれないね。」等と、子どもに取り入ろうとするのは、良くないですね。
 ぶれてはいかんのです。
 叱ったことには毅然として、後のフォローを考えるんです。
 フォローとはどういうことかというと、叱られた子どもが落ち込んでいたら、気分転換させればいいんです。
 何か別のことで、気分を変えさせるんです。
大人だからこそ、そこまでやらないといけません。
 きつく叱られた子どもは、親からの
「愛しているんだよ」
という表現を待っているものなのです。外食に誘うのも一つのやり方でしょう。

思春期の言葉がけ ② 「同じ土俵に乗らない」

Posted By taga on 2023年9月18日

 子どもと同じレベルで争う大人はみっともないですよね。
思春期の子どもに真正面からぶつかっていくことは、得策ではありません。
 でも、つい、同じ土俵に乗ってしまうんですよね。
「宿題したの?」
というと
「今、しようと思っていたとこ」
と言われて、
「いつもそういうけど、したことないじゃないの。」
と言ってしまう。そしたら、
「そんな言い方されると、やる気がなくなるわ。」
というので、さらに、
「初めからやる気なんかなかったんじゃないの」
と言ってしまって、子どもが最後は
「うるさい!」
となってしまう。
 こういうのを、同じ土俵に乗るというのです。
 親が子どもの挑発に乗ってしまって、どんどん感情的になってしまうんですね。

 子どもに
「今、しようと思っていたのに・・・。」
と言われたら、
「そうなんだ。ごめんね。良かったあ。」
と言ってしまえば、いいのです。
言ってから、どこかに行ってしまうとさらにいいですね。
あとは、子どもに責任がかかるのですからね。
 子どもと議論して言い負かそうとする方もいらっしゃいますが、それも意味がないと思います。
親子に勝ち負けなんてありません。子どもと議論しても何もいいことはないんです。

子育てのヒント 思春期の言葉がけ 「ネガティブな言葉で人は動けない」

Posted By taga on 2023年9月17日

 親は子供に対して、どうしても
「早くしなさい」
「勉強しないと・・・」
「本気でやりなさい」
というような言葉を発します。
これは、大人が子どもに対して不安になっているからなんです。
 そして、子どもに、なんとかして「このままではいけない」という意識を持ってもらおうとするんです。
 でも、そんな言葉で子どもが動けるでしょうか?
 よく考えてみてください。人は、ポジティブな言葉を受けてこそ、動きやすいのです。
否定的な言葉を受けて「よし、がんばるぞ」となるわけがありません。
 また、まともな話も、受け入れられません。
 僕が高校生の時に、母が分厚い手紙をくれました。もらった段階で何が書いてあるかは想像つきました。
「あなたの最近の生活態度を見ていて・・・」
とかいうことが書いてあったに違いないのです。
僕は読まずに、そのまま手紙をゴミ箱に叩き込みました。
 受け入れようという心がないときは、そういうものは通用しないということです。
 思春期の子どもとは少し距離をとった方がいい。
距離をとるからといって、愛情が薄くなることではなくて、押し付けがなくなるということなんです。

子育てのヒント いじめと戦うのは大人です

Posted By taga on 2023年9月16日

 こどもがもしも 「いじめられている」 と語りだしたときは、まず、そのまま信じなければいけません。
親ばかでいいんです。
つらい子どもの気持ちに対して「それぐらいのことで」なんて、軽々しく扱ってはいけません。
 いじめで苦しんで、やっと語りだしたときに、親が信じないとなると、「もう言わない」となるでしょう。
「あなたにも何か原因があるんじゃないの?」なんて、口が裂けても言わないようにしましょう。
いじめをする相手というのは、まともな人間たちではありません。
そんなものに子どもが自分で立ち向かっていくなんてことはできないのです。  
子どもは戦わなくていい。戦うのは大人なんですよ。
ただし、子どものプライドをつぶすと、子どもが追い詰められてしまいます。
だから、学校へ言いにいくときは、必ず我が子の了解をとってから、行きましょう。
少なくとも、子どもを説得してから、行きましょう。
いじめは、特殊な暴力なんです。
暴力を奮ってくる相手に対して、
「がまんしなさい」なんて言わないですよね。それと同じなんです。
子どもから相談されたら、
「もうがまんしなくていいよ」
と言ってあげましょう。

いじめは言ってもらえない

Posted By taga on 2023年9月8日

「うちの子がいじめしてるって聞いたら、教えてね。お互いに言おうね。」
なんて親同士で言っていても、本当にいじめを知っても、まず言ってもらえないと思った方がいいでしょう。
 仲良しのお母さんの子どもが、自分の子どもをいじめていると分かった時に、
悲惨ないじめでもないときは、みなさんならおっしゃいますか?
 子どもが「絶対に言わないで」と言ったら、言なおさらえませんよね。
学校の先生だって、よほどいじめの確信があるというときにしか、言えないんですよ、ふつうの先生はね。
 では、我が子がいじめられていると気付けるには、どうしたら良いのかというと、子どもを毎日ちゃんと見ることです。
きちんと声掛けして、挨拶して、そのときの反応や表情を、毎日つかんでおくことです。
毎日見ているから、おかしなときに気付けるんです。
 そして、おかしいなと感じたときは子どもと話すのですが、子どもが話したがらないときは、無理に話させようとしないほうがいい。
 いじめというものは、心を強烈に痛めつけるので、話すだけでも苦痛になるのですから。

トラチャン…トラブルこそチャンス

Posted By taga on 2023年9月7日

トラチャンという言葉があります。
「トラブル・チャンス」の略です。
トラブルは子どもを育てるチャンスなんですよ。
なんのトラブルもなく育った子どもなんて、本当に幸せになれると思いますか?
世の中に出たら、挫折もあるんです。
世間にはいろんな人間がいて、みんながまともなことをしてくれるわけではないのですから。
 子どもが学校でトラブったとき、すぐに学校にクレームつけにいき、相手に謝らせたら、それで解決するのでしょうか。
 泣き寝入りしろと言っているのではなく、親として、冷静に考えてみましょうと言っているんです。

いじめっ子を作るのは、その子の親ごさんだと思っています。
親が博愛主義で、他人を心から大切にするような人だったら、子どもがいじめっ子になることは、まずあり得ません。
ただし、親や家庭のコンディションが悪い時には、子どもはストレスをため込んで、友達に意地悪をしてしまうことはあります。
「こんな子どもがそんなことしたの?」
と思ったときは、お母さんが忙しかったり、ご病気だったり、ご夫婦の関係が悪くなっていたりしていることが多かったですね。
子どもがいじめをしたら、ご自分に原因があると思った方がいいですね。