きょうの一冊 【5】              

Posted By taga on 2013年11月6日

「どろんここぶた」

アーノルド・ローベル
この絵本を読むと、

いつも思い出すことがあります。

ぼくの娘が3才ぐらいのときに、

ブランコの下にできたどろんこの水たまりに、

うれしそうにつかっていたときの様子です。

ほんとうに幸せそうにひたっていたことが、印象的でした。

子どもは、どろんこが大好きです。

その土のぬくもり、体につく感触がぴったりくるようです。

ローベルは、子どもの心をよく分かっている作家です。

こぶたがどろんこに沈んでいるときの幸せな感じは、

子どもたちの感覚そのままだと言えるでしょう。

子どもは、こぶたになりきって読んでいきます。

大人にとっては意味のないものでも、

子どもにとっては大切なもの。

そういうものがどの子にもあります。

どろんこをとりあげられたこぶたは、

まさしく理不尽な大人に大切なものを否定された子どもそのものなのです。

こうした子どもの気持ちをたどりながら、

この絵本を読み聞かせしてあげて下さい。

 

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