多賀マークの教室日記

教育にかかるよしなしごとを、つれづれなるままに・・・。
「教育」というと、力の入った人か、アウトサイダー的な方かの両サイドが目立つ。
僕は、港と山にかこまれた神戸という風土で肩を張らず、妥協もせずに見つめてきた目から、今を語りたい。

子どもの個性

Posted By taga on 2023年11月5日

 みなさんは、自分の個性はこういうものだとはっきり言えますか?
もし言えたとしても、それって正しいんでしょうかねえ。
 だいたい、自分で「私はこんな人間です。」という人がその通りの人だったなんて、めったにお目にかかったことありませんよ。
 僕も、自分ではいいかげんで大雑把な人間だと思っているんです。
でも、保護者の方は、
「多賀先生は細かい。几帳面だ。」
とおっしゃいます。
 個性は人が評価するものでもあるんですね。本当のところは分かりません。

 さて、個性は、特性であって、良いことでも悪いことでもありません。
見方一つで行為の意味は変わるんです。
 例えば、「細かいことにこだわりすぎて、しつこい」という子どもがいたとします。
この見方は、マイナスの捉え方ですよね。
その見方を変えると、「粘り強くて、研究熱心だ」ということになりませんか?
「無神経で鈍感だ」という見方はマイナスですが、この見方を変えたら、
「細かいことを気にしない、おおらかな性格だ。」
と、プラスに転じませんか?
 個性は、プラスの方向から光を当てることで、輝くんですよ。その子がプラス方向へ伸びていくのです。

普通のこどもなんていない

Posted By taga on 2023年11月4日

「お宅のお子さんは、ちょっと普通じゃない」
と言われたって、その地域や学校という社会の中で、マジョリティには入らないというだけなんです。
 そのうえで、ですよ。普通の子どもっていると思いますか?
 どんな子どもでも、細かく見ていくと、いろいろと変わった部分も持っているものなんです。
 ある意味、「普通の子ども」なんていないんです。
自分の子どもが普通かどうかなんて考えて思い悩むのは、ナンセンスだと思います。
 この子はどんな個性を、特質をもっているのかなという感覚で子どもを見ていくべきだと思います。

 普通というラインを勝手に大人が引いて、そのラインから子どもを見ていくから、いろんなところが足りないと感じてしまうんです。
ゼロベースで子どもを見ましょう。何かが足りないとみるのではなく、
「この子はどんなことが得意なんだろうか?」
「この子の集中するのはどんなことかな?」
と見ていくんです。
何かが足りないのではなく、何ができるかなんですよ。
 何かが足りないと思ったら、それをなんとかフォローしようと考える、これが違うんですよ。
上にラインを設定して、そこから子どもを見ないようにしましょう。

ふつうって何?②

Posted By taga on 2023年11月3日

ふつうって何?②

 両親のそろった家庭に生まれて、小中学校もまあまあの成績で、友達も何人かいて、高校もそこそこの学校を出て、
いじめたりいじめられたりすることもなく、大きな挫折も経験しないで、親からも暴力暴言を吐かれたことがない。
まあまあの大学を出て普通に就職して、そこそこの給料をもらう。
適齢期に好きな人と結婚をして、子どもももうけて、持ち家も持つようになる。
 これが「ふつう」の人生です。こう考えると、普通って、難しいでしょ。
「普通」の人、普通の子どもなんて、本質的にはいないんですよ。

 一つ目の人たちの世界に我々が入ったら、「2つ目のおかしい人がいる。」と言われて気味悪がられ、
つかまって動物園に入れられるかもしれませんよね。
 つまり、普通というのは、マジョリティのことなんです。
その社会や集団において、マジョリティが普通で、マイノリティが普通じゃないということなんです。
 ですから、社会が変わったら、普通も変わります。
 日本人の普通は、海外では非常識にもなることがあるんです。
 だから、子どもたちに「普通」を強制する意味はないんですよね。

 ふつうって何?

Posted By taga on 2023年11月2日

       ふつうって何?
「ふつう」ってよく使う言葉ですよね。
 障害があるかないかは関係なく、自分の子どもについて「うちの子、ちょっとふつうじゃないかも?」と思って不安になることってないですか?
 また、他人から「お宅のお子さんは、普通とは違うことをしますね。」
と言われたら、我が子を否定されたような気になって、腹を立てたりします。
 人は「ふつうでないこと」に関しては、敏感なんです。
 では、ふつうって、何でしょうか?答えられますか?
具体的に「こういうのが普通の子なんだといえますか?

 学校において、「あの子は普通の子どもだよ」と言われる子どもたちがいます。
 教師は、特に何かに劣った子ども、勉強ができない。
運動が得意じゃない。
問題行動を起こす・・・。
そういう目立つ子どもには、まず、目がいきます。
この子どもたちは「普通の子」とは思われません。
また、優れた子どもにもよく目が向きます。勉強ができる。
よく意見を述べる。リーダーシップがある。こういう子どもたちには、自然と目が向きます。
それら以外の子どもたち、つまり、よくも悪くも特別目立たない子どもたちを「普通の子」と呼ぶんです。
 教師の目が行き届かない子どもが「普通の子」なんです。

子育てのヒント  悔やまなくていい

Posted By taga on 2023年11月1日

悔やまなくていい

 子育ては、うまくいくという実感の薄い営みです。
 あのとき、ああやっていたら良かったんじゃないか、とか、ああ、こうやっていたらうまくいったんじゃないかって、思うこともあります。
後悔先に立たずといいますが、本当に子育ては考えだしたら、後悔することがたくさんです。
 でもね、考えてみてください。
あのとき、ああやっていたら、もっとひどいことになっていたかも分からないんですよ。
 子育ては、いつも暗中模索です。
 そして、子育ては覚悟がいるんです。
子どもが将来どんな人間に育っても、それは全部自分のしてきたことの結果だと受け止めるだけの覚悟が必要なんですよ。
 どこかのお子さんが東大に入ったから、その親のしたことを学んで、全くその通りにしたら、自分の子どもも東大に受かるなんてことは、絶対にないですよね。
だって、子どもの資質も、親の資質も全部違っているのですから。
 子育ては、自分と我が子に合った道を、一緒に手をつないで歩んでいく道なんです。
しんどいときもあるけど、楽しい道なんです。子育ては、楽しんでほしいと思います。

 子どもを励ます言葉

Posted By taga on 2023年10月23日

 子どもを励ます言葉
 子どもをストロークする言葉、つまり励ます言葉というものがあります。
 「ありがとう」という言葉を、子どもに伝えていますか? 
親が感謝の言葉を子どもにたくさん、それこそシャワーのようにかけていると、自然と子どもも感謝の言葉を口にするようになります。
 卒業式で、先生や来賓など、挨拶する人が、口を開けば「親や先生に感謝しなさい。」という言葉を言います。
 僕はこれが大嫌いなんです。
感謝って、強要されるものではないですよね。
自然と心から沸き起こってくるものですよね。
 日頃から感謝を口にすることの方が、ずっと大切だと思うんです。
 次に、「どうってことないよ。」という言葉。
 失敗したって、どうってことない。ミスしたってどうってことない。
そういうメッセージを子どもにかけてあげましょう。
 人生は、チャレンジの連続なんです。失敗なんて山ほどするんです。
そして、それも人生を豊かにしてくれる大切な要素なんですよ。
 そういう思いを込めて、子どもに「どうってことないよ。」
と言ってあげたいですね。

子どもを認める言葉

Posted By taga on 2023年10月22日

 子どもを認める言葉
 子どもを認める言葉というものを意識して使いましょう。
 褒めなければいけないと思うと、良いところを探そうとしますよね。
でも、良いところって、簡単に見つかる子どもばかりではないんですよ。
だから、認める言葉を使いましょう。
 例えば「いいねえ」…「その絵、なかなかいいねえ。」どこがいいのかなんて言わなくてもいいんです。
ともかく、自分がいいと思ったんだから。
「いいねえ、そのやり方。」とか「そんな面白いことを考えてたんだ、いいねえ。」
 ほら、なんにでも使えるでしょ。
SNSには「いいね」ボタンがあります。
自分の投稿にたくさん「いいね」がついていたら、気分は良くなります。
「いいね」をつけた人は、たいして良いとまでは思っていなくて、軽い気持ちで「いいね」を付けているのかも知れない。
でも、「いいね」をつけられた方は、肯定された気分になるのです。
 次に、「なるほど」という言葉。…
「ううん、なるほど。あなたの言うとおりだね。」
とか
「なるほどなあ、そこまで考えていたんだね。」
とかいうように使います。
「なるほど」と言われたら、すごく肯定された気分になりますね。

わがままって何

Posted By taga on 2023年10月21日

わがままって何

 わがままを言う子どもっていますよね。
子どもはわがままなものなんですよ。
全くわがままを言わない子どもの方が、僕からしたら、恐ろしいですね。
 子どもは大人のペットでも奴隷でもありません。
1個の人格を持った人間です。でも、まだまだ未熟なんですよ。
未熟な人間はわがままも言うもんです。

 じゃあ、そのわがままを放っておいていいのか、というと、そうではありません。
 こどもの言動をわがままという前に、その質を見るんです。
どういう種類のわがままなのか?そこをようく見ないとね。
・ 自分の思い通りにならないと機嫌が悪くなるのか。
・甘えたさんで、周りがなんでも受け入れてくれると思っているのか。
・我慢ができない性格なのか。
・人の話をきちんと聞いていないのか。
・自分が正しいと思い込んでいるのか。
・自分では言ってることが「わがまま」だとは思っていないのか。
 どういう「わがまま」なのかで、その対応の仕方も変わってきます。
 ただし、他人に迷惑をかける行為は、断固として認めないようにしないといけません。

「いい子」に仕立て上げない

Posted By taga on 2023年10月20日

「いい子」に仕立て上げない
そもそも、「いい子」ってなんでしょう?
 大人の言うことをちゃんと聞いて、お行儀良くって、あまり親に手をかけさせない子どものことですか?
 それは、大人にとって都合のいい子に他なりません。
 おとなにとっての「いい子」を演じているこどもはいます。
つらいんですよね、そういう子どもは。
姉妹で、妹がしょっちゅうお父さんに叱られているのを横目で見て、自分は叱られないように頑張ったという子どもがいました。
高校に入ってから、不登校になって、荒れて、大変でした。
つらいですよ。しんどいですよ。
いい子を演じている子どもは、いつかどこかで心が壊れてしまうときがくるかもしれません。
そのお姉さんは「お父さんに叱られている妹が羨ましかった」と言ったんですよ。

 子どもは本質的に悪いことするもんです。悪いことしたって、叱られたって、親との関係は全く壊れないんだと教えてあげましょう。
 こどもを丸ごと「いい子だねえ。」って言いましょうよ。
私の子どもとして生まれてきてくれたんだから「いい子」なんだよって言いましょうよ。

「約束したでしょう」

Posted By taga on 2023年10月19日

「約束したでしょう」
子どもを「約束したでしょう」と問い詰めることはありませんか?
 親子の間の約束って妥当なものなんでしょうか?
 子どもと親は対等の立場ではありませんよね。対等の立場ではないところでの約束って、いいんですかね。
 ブラック企業とは、対等ではない立場で契約を結ばされて、不利益を受けることがあります。
弱い立場の労働者は、自分にとって不利な内容であっても、理不尽な契約を結ばされるものです。
 そして、その契約を盾にとって、「契約する時に、ちゃんと承諾書をとっている」と、労働者を責め立てる、それがブラック企業です。
立場が対等でないときに結ばされた契約は無効だとされています。
 それと同じなんですよ、子どもと親との約束って。
 ブラック親との約束は、圧倒的な力の差において、結ばされます。
 それで、その約束が守れなかったら
「約束したよね。」
と、約束を振りかざすんです。
 子どもとの約束なんて、親から一方的におしつけられたものがほとんどです。
 そんなものは、本当の約束ではありません。
「ママと約束したでしょ。」というのは、ブラックママですね。