読解力

Posted By taga on 2015年8月23日

昨日は石川晋さんと一緒に絵本の会。
晋さんとは、読む本がかぶることは決してない。
「今度、どの本を読みますか」
なんてすりあわせは必要ない。
これは、絵本というものの本質なのかも知れない。

晋さんの選書は、僕なら絶対に読み聞かせしないものばかりだ。
僕はどうしても読み聞かせのときに
聞き手の様子を想像してしまう。
晋さんはおそらくそんなことは何も考えていないだろう。
自分が「いいな」と思った物を読む。
ただそれだけである。
僕みたいに本を講座に位置づけて作り込むようなことはしない。
それが彼の「読み」の魅力である。

晋さんが『トムは真夜中の庭で』について中学生に読み聞かせしたときのことを語っていたが
読解力が圧倒的に弱くなっているのは、僕も感じる。
言語活動を一生懸命にして、読解力をつけることをしていない。
読解力は人間を読み取ることにもつながるから、
人間理解も浅くなってくる。

先生達もそうだ。
30年以上前、TOSSが流行する前の教育書は、今の先生達の多くには読めないだろう。
平易な文章しか読まない経験をしてきたたら、
今更難しい文章は読めない。
言葉による深い思索ができないのではないだろうか。

About The Author

taga

Comments

2 Responses to “読解力”

  1. 永瀬悟 より:

    多賀先生

    TOSSが流行る前…かどうかはわかりませんが、最近の教育書は(教育書に限らず、実用書は)大事な部分が太字になっていることが気にかかっています。
    大事な部分は、自分が決める。そう思っています。
    読みやすい本と、平易な文章は、本来違うと思っています。

  2. taga より:

    罫線で囲んだりもしていますね。
    文章だけでぎっしりとつめたら、本が売れない。
    つまり、読み切れないということです。