新しい教科書には引っかかることが多い

Posted By taga on 2011年9月16日

2年生の文章に「どうぶつ園のじゅうい」というのが入った。

 

文章としてはおもしろくて、きらいではない。

ただ、説明文ではない。

随筆文に近いだろう。

動物園の獣医の日記形式で書かれているからだ。

 

まず引っかかるのは、手引きの部分に

「『ーからです。』は、わけを書くときのことばだ。ほかの言い方もあるのかな。」

と、書いてあること。

 

2年生にこんな言い切り方をしていいのだろうか。

だって、同じ文章内に

「見回ることからはじまります。」

という表現がある。

「ーからです。」ではないから、この「から」は、わけや理由ではないということなのだろうか。

 

「まず最初は、君からです。」

という表現も「ーからです。」なんだけど、

これは始まりを表すだろう。

 

ここでは、「から」という言葉の意味にはいろいろあるけれど、

どれが「理由」や「わけ」を表しているのかな、という問いかけがいるのではないだろうか。

 

そう考えてくると、2年生にとってレベルが高すぎて

子どもたちがついてこられないような気がする。

 

また、手引きには、

「『どうぶつ園のじゅうい』を読んで、いちばんひきつけられたところはどこですか。」

と書いてある。

さらに、

「『ひきつけられる』とは、つぎのような気もちです。

・はじめて知ったことにおどろく。

・ふしぎに思ったり気になったりする。

・もっと知りたいなあと思う。」

と、続く。

教科書に子ども向けに書いてある。

 

「ひきつけられる」という言葉は、そういう意味だったのか。

知らなかった。

「ひきつける」を辞書で引くと、新明解では、

「すぐれた話術・演技力・人柄などで、いつのまにか人に、いいなあという気持ちを起こさせる。」

岩波では、

「心が引き寄せられる。魅了する。」

となっている。

 

それを教科書のような説明でいいのだろうか。

2年生にこう教えて良いものだろうか。

はなはだ疑問である。

 

そして、大切なのは、こんな小難しいことを考えても

決して子どもたちに理屈をこねるような授業にするのではなく、

いかに賢くなることを楽しむような学習に仕組めるか、ということである。

 

 

 

 

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