親塾15・・・ともだちについて⑤

Posted By taga on 2012年12月18日

② けんか・・・昔のケンカ  今のケンカ

次は、ケンカの話です。

雨降って地固まるといいますが、

ケンカは子どもにとって昆虫の触覚みたいなもので、

元々は必要なものなんですよ。

それを今の親御さんは、ちょっとケンカしたら、おおごとにしてしまいます。

ケンカして、ちょっとでも怪我をしたら、

教師はどちらにも電話をかけて、説明しなければなりません。

そうしないと、後で、

「先生の対応の仕方が悪い」

などと、言われます。

もめることもあります。

大けが、たとえば、骨折したり、脳震盪おこしたり、顔に傷ができたり、病院へ行ったり、

というような場合は、連絡するべきだと思いますが、

男同士でケンカして、殴られて歯から血が出たなんていうのは、大したことじゃありません。

 

今は、そういうのはダメな時代です。

僕が教師になりたてのときなんて、どつき合いのケンカして家に帰るからといって、

いちいち家に電話したりしませんでした。

そんなことでいちいち電話する先生は、神経質だと言われたんですよ。

今、若い先生たちに指導するときは、

「後でもめないために電話しときよ」

と言います。リスクマネージメントになってしまいました。


子どもたちと飲みに行くと、と言っても35歳のおっさんたちですけど、彼らが

「僕ら、よく多賀先生にケンカさせられたなあ。」

というんです。

「人聞きの悪いこと、言うな。させたわけじゃない。

君たちがケンカしたそうだったから、させてあげたんやないか。」

と、笑いましたが、実際、よくケンカさせましたね。

彼らが四人くらいで口をそろえて

「かむな。けるな。目を突くな。素手でたたかえ。だったっけ。よく言われた。」

と言うんです。

 

そんな話が笑ってできる、

そういう友だちに、今はしてあげられない。

ぶつかりを許してあげられない。

だから、子どもたちは小さい時から、人とのぶつかりかたが分からないのです。

なかなか本当の友だちが作りにくくなっているんですね。


 

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Comments

One Response to “親塾15・・・ともだちについて⑤”

  1. ぽんたろう より:

    多賀先生、いただき!シェアさせていただきます。
    ありがとうございます。