新卒は二人の担任から

Posted By taga on 2013年7月12日

僕の教師人生のスタートは、帰国子女学級の四年生。

スタートは、子どもが二人だけだった。

帰国子女学級は、随時入学してくる。

しばらくして一人増え、

また一人増えしていった。

なんの基礎も基本も知らない新卒教師。

それが海外でさまざまな教育を受けてきた子どもたちに

教えなくてはならない。

三年生までに習っているはずのことを、

何も学んでいない子どももいた。

英語は話せるが、ほとんど漢字が読めない子どももいた。

何につまずいているのかも分からない。

教科書通りには進めない、特に算数は。

何も準備しないで教室に入って、

赤本を見ながらの授業なんて、絶対にできない。

必死でがんばったが、

子ども達に何もしてあげられなかった一年だった。

熱意や努力だけでは、何もできなかった。

子どもを大切にできるためには、技術と知識がいるのだ。

だが、僕は、ずっとあの子たちのことを心に入れている。

僕なりに背負い続けてきた。

僕の「一人一人」という言葉の底にあの子たちがいる。

 

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Comments

4 Responses to “新卒は二人の担任から”

  1. sunami より:

    多賀先生、ご無沙汰をしております。
    4月に産休が明け、今は心の病気の先生の代わりに、副担として国語の授業を中心に出ています。
    病気の先生も、少し肩の荷が下りたのか、最近毎日出勤できるようになってこられました。頑張っておられます。

    多賀先生のブログ、毎日拝見しています。
    よく考えると、「ブログを毎日必ず更新する」って、すごいことですね。続ける努力のいることだと思います。毎日何か新しいことが書かれているという信頼感があるので、私は毎朝まずブログを読みたくなります。
    担任も同じで、毎日教室で子どもを待っているってことが、子どもに安心感や信頼感を与える上で大切なんでしょうね。
    初めての副担という立場は、作業的なことは楽ですが、いろいろな意味で難しさを感じています。また、勉強にもなります。
    来週は、担任の代わりに個人懇談をします。通知表も、不十分ではありますが私が書きました。親御さんとの信頼関係がまだ全然できていませんが、頑張りたいと思います。

    あと、多賀先生がブログ上で紹介してくださる本を、アマゾンで購入しています。本を選ぶ目のない自分には有り難い情報です。(買うだけ買って、読むのが追いついていませんが・・・)
    多賀先生の最新本も拝読いたしました。多賀先生を直接存じあげている分、文字が優しく語りかけてくださっているような感覚があります。

    今後ともご指導よろしくお願いします。

  2. taga より:

    元気そうで、何よりです。
    もう一才になるんですね。
    ここからですよ。
    母親になって、感覚が変わりましたか?
    今は、追手門で、東田さんと杉田さんのお手伝いをしています。
    広島に行きたいなあ、カープの試合を観に。

  3. sunami より:

    追手門へは、国語や読書でのお手伝いですか?近ければ、私ももっと頼らせていただきたいぐらいです!教師10年目は、私にとって、まだまだ新米教師と大差ない感じがしています。でも、それもそろそろ恥ずかしいので、頑張らなきゃと思います。

    母親になって、いろいろ考えました。
    産んだ直後、不思議なのですが、まず寂しさがありました。
    母体と離れたことに対してではなく、自分の役目が一つ終わった寂しさです。
    いよいよ、世代交代するんだな~と。この子が生まれたということは、じいちゃんばあちゃんは死ぬってことだな、自分も死に向かって歩き始めるんだな~と。
    入院中も、この子は生まれてくる必要があったのか?って考えました。
    それに、私が誰か一人をたやすく殺せるとしたら、無抵抗なこの子だな、とも。
    すんごいマタニティーブルーですね・・・。

    それから、しばらくすると、子ども嫌いの私でも、どの子もかわいく見えました。
    造作とかでなく、どの子も一生懸命生きているってことが。だから、復帰したら、
    どの子も大事にしてやらなくてはならないと思いました。
    テレビで「はじめてのおつかい」を見ると、泣いてしまいます。子どもが死ぬなどの痛ましい事件に触れると、今まで以上に実感があります。

    基本的に、今でも子どもってやっかいだという考えに変わりはないし、自分は教師にあんまり向かないなという心境にもよく陥りますが、今は、とにかく授業を丁寧にやりたいという思いもあります。これは、副担任として国語だけでも成果を上げねばならないという緊張感と、時間的余裕がもたらしたものだと思います。

    あと、カープ、ちょっと調子が出てきてるみたいなので、応援で盛り上がるなら今です!

    多賀先生も、お体に気をつけられ、ますますご活躍くださいね!

  4. taga より:

    教師に向かないんじゃないかという思いは、
    僕も50近くまで、持っていました。
    それぐらいの感覚のあった方がいいんですよ。
    今では、天職だとおもっていますが。