強さだと思う

Posted By taga on 2014年2月16日

ソチ・オリンピックのことは、

ブログでもフェイスブックでも語っていない。

「感動した!」

という言葉があまり好きではないし、

ウインタースポーツそのものに、ほとんど興味がないから。

見てるのは見ているんだけど、書きたくはなかった。

でも、羽生くんの金メダルには思うところがある。

彼の強さの根元が震災にあるというのが、僕には理解できる。

美談としてとりあげられているが、ああいう甚大な被害をもたらした災害の場所にいて、

その後の模様を実際に見て、体験したら、人は無力感に襲われる。

ぼくもそうだったし、周りの人たちも多くがそうだった。

自分の故郷が壊される経験の大きさは、そこにいるものにしか分からない。

僕には、目の前に子どもたちがいたから、必死でやることができたが、

半年くらいしてから、PTSDのような症状に苦しんだ。

いつも、心の中に穴が空いたような気分で、ものすごく繊細になって・・・・。

久しぶりに出会った方と、自然と涙で抱き合う。

「生きていて良かったね」

という言葉が付いて出る。

しかし、その後、亡くなった人たちの情報が入る。

久しぶりに行った喫茶店のマスターから手を合わせられる。

僕も無言で頭を下げる。

生きているってなんだろう。なぜ自分は生き残ったのか。

生かされているんだという実感を、日々、感じながらの生活。

 

そういう中から、人に支えられながら立ち直っていったからこその、羽生君の「強さ」じゃないかなと思う。

60カ所ものリンクで、誰も彼から使用料金をとらなかったとも聞く。

その大舞台だけではなくて、日々の練習が全て、同じこと、同じ思いに直結していただろう。

「被災地に勇気を」という安易な言葉では表すことのできない

強い思いというものが、彼の強さではないか。

そう思ってスケートを見ていた。

もちろん、あくなき向上心も、技術の積み重ねもあっただろう。

でも、僕は、芯に何をもつかで、人の営みは変わると思っているので、

羽生君の強さをそこに見る。

 

 

 

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