帰国子女 そのⅡ

Posted By taga on 2015年11月2日

たった二人の子ども達とスタートして、教科書の指導書がそのまま使えない。
どんな授業にしたら良いのか、
自分で工夫するしかなかった。
そこで、当時まだ世の中では広まっていなかった
ワークシートを使っての学習を中心にした。

算数は、プリント学習で、
棚に段階別のプリントを用意して、
子どもが自分のレベルに応じて学習していく形をした。
全て手作り手書きのプリントだった。
こういうと、すごい先生に聞こえるかも知れないが、
全くのダメダメだったことは、付け加えておきたい。
今の僕の力があれば、
子ども達に数倍の力をつけてあげられたと確信している。
あの子たちへの借金を、僕はその後に出逢った子どもたちに返していったといえよう。

最初の遠足は王子動物園。
先生と三人だけ。
僕が写真を撮るから、小さな記念撮影。
クラスという集団の力など、全く存在しない中で、
僕は一人一人と付き合っていった。

帰国したら随時入学というシステムで、
ある日突然クラスメイトが増える。
みんな帰ってくる国が違う。
フランス、カタール、東欧、アメリカ、香港・・・
自分なりに子どもたちと一生懸命につきあったけど、
当時の僕には子どもを理解するための技術が決定的に不足していた。
だから、子どもたちにとって、良い教師ではなかった。

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