親力 27 褒める力、認める力

Posted By taga on 2022年3月7日

⑨ 褒める力、認める力
 褒める力と認める力の話をしましょう。
 今、書店の教育書コーナーには、「褒めて育てる」ことをテーマにした本がずらりと並んでいます。三十年前には、平井信義さんのような考え方(『子どもを叱る前に読む本 「やる気のある子」「ひとりでできる子」の育て方』等々)は珍しいことでした。
 今は、「褒めて育てよう」賛歌であふれているように見えます。
 その一方で、
「なんでもかんでも褒めるだけではダメだ。それでは子どもは育たない。叱ることも必要だ。」
という考え方も根強くあるように思えます。
 どっちが正しいのでしょうか?
 そもそも、叱ることと褒めることとを対極と捉えて、どちらかを選択しようという発想がおかしいのだと思います。褒めることにも叱ることにも功罪があり、それらをよく吟味して、我が子の性格や家庭環境などを考慮して選択することが大事です。
 そして、何事にもそうですが、ちょうどいいさじ加減というものがあるのです。

 日本人は自己肯定感が低いと言われます。それは日本の教育に問題があるからです。あまりちょっとしたことでは褒めません。人前で我が子を褒めることを良しとせず、褒めてもらっても
「いえいえ。うちの子はたいしたことありません。」
と否定したりします。もちろん、褒められたときに
「そうなんですよ。うちの子は素晴らしいんです。」
なんて言った日には、顰蹙を買いますよね。そこまではできなくても、
「ありがとうございます。」
と言っておけばいいのに、なぜか世間体を気にして否定してしまう人が多いんですよね。
 確かに、褒めるという行為には、気恥ずかしさを伴います。日本人が持っている「恥の文化」が褒めることをおしとどめてしまうことがあるようです。
 褒められることが少なく育った子どもの自己肯定感が低くなるのは、当然のことです。子どもを褒めることは、親が意識してできる大切な教育活動だと思います。

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